弘兼憲史は1947年生まれ、山口県岩国市出身の漫画家です。1980年代から活動を始め、サラリーマンや人生の機微を題材とした作品で知られています。現在も日本漫画家協会の理事を務めるほか、徳山大学や山口大学の客員教授として後進の指導にあたるなど、業界内での地位も確かです。自身の個人事務所「ヒロカネプロダクション」を運営し、長期連載と創作を並行させながら、日本の漫画文化を代表する作家として活動を続けています。
弘兼憲史の代表作は、何といっても「島耕作」シリーズです。1982年の読み切り『カラーに口紅』に始まり、『係長島耕作』『課長島耕作』『部長島耕作』『取締役島耕作』『常務島耕作』『専務島耕作』『社長島耕作』『会長島耕作』『相談役島耕作』『社外取締役島耕作』へと続く長大なシリーズは、累計4600万部以上の大ヒットとなりました。主人公が昇進するごとに視点が変わり、各階級における人間関係や葛藤を描いています。もう一つの代表作『
黄昏流星群』は、40代以降の人生の輝きを恋愛を軸に描いた短編集で、2000年に文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。テレビドラマ化も多数されており、累計2500万部を突破しています。弘兼作品は現実的な職場描写と人間ドラマに特徴があり、大人の読者に向けた劇画的な表現が一貫しています。
弘兼憲史の入門には『課長島耕作』がお勧めです。講談社『
モーニング』の看板漫画として長年連載された完結作であり、サラリーマンの現実と夢、オフィスラブなど多彩なテーマが詰まっています。シリーズの他作品も同じ主人公を追うため、『
課長』の後に『
部長』『
取締役』と段階的に読むことで、キャラクターの成長と時代変化を体験できます。『
黄昏流星群』は『
ビッグコミックオリジナル』での長期連載で、短編形式のため好きな巻から読み始めることも可能です。いずれの作品も電子書籍を含め多くの版が現在も入手可能で、テレビドラマ化作品も多いため、映像化から興味を持つのも良いでしょう。