今井哲也は1983年生まれ、千葉県船橋市出身の漫画家です。中央大学文学部を卒業後、漫画の道へ進みました。2008年から『月刊アフタヌーン』で『
ハックス!』により連載デビュー。その後も同誌で『
ぼくらのよあけ』を発表し、星雲賞候補に選出されるなど、SFジュブナイル作品で評価を獲得しています。転機となったのは『
アリスと蔵六』の連載で、『
月刊COMICリュウ』で2012年より発表した本作は、第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。累計発行部数100万部を超える代表作となりました。現在は東京都在住で、長期連載を複数抱えながら活動を続けています。
『
アリスと蔵六』は、老花屋の店主と異世界の力を持つ少女の出会いから始まる物語。ファンタジー的な設定を現代日本に置き、キャラクターたちの関係性を丹寧に描くスタイルが特徴です。『
ぼくらのよあけ』は2038年の近未来を舞台にしたSFで、人工知能やロボット、宇宙という少年の夢と冒険を軸に、成長の物語を描きます。『
ハックス!』はアニメーション研究部に入部した高校生たちの日常と創作活動を通じた青春群像劇です。共通する作風として、ジャンルを問わず「少年少女が日常のなかで非日常と向き合い、成長していく」というテーマが貫かれています。独特の淡い絵柄と、丁寧なキャラクター描写で、ファンタジーからSFまで幅広い題材を実現しています。
今井哲也の作風を最も体験できるのが『
アリスと蔵六』です。連載中で単行本が13巻まで刊行されており、入門にも、ファンの継続購読にも向いています。よりコンパクトに作風を確認したい場合は、完結した『
ぼくらのよあけ』全2巻がおすすめです。近未来SFの中に人間の温かさを描くこの作品は、2022年にアニメ映画版も公開されているため、作品の多角的な展開を追うことも可能です。青春群像劇を好む読者には『
ハックス!』全4巻も候補になります。作家の初期から現在までの作風の変化を辿るなら、『
ハックス!』→『
ぼくらのよあけ』→『
アリスと蔵六』の順序での読破も有意義です。いずれの作品も主要な流通ルートで入手が容易です。