福井県福井市出身。大阪芸術大学でデザインを学んだ石黒正数は、2005年から『
ヤングキングアワーズ』で『
それでも町は廻っている』の連載を開始し、日本の漫画シーンに独特の存在感を示してきました。2013年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2018年には星雲賞コミック部門を受賞。2018年からは『月刊アフタヌーン』で『
天国大魔境』を連載中です。デザイン教育の背景を活かしつつ、長年にわたって多くの作品を発表してきた作家です。
『
それでも町は廻っている』は、東京の下町を舞台に女子高生の日常を一話完結で描く日常コメディ。平凡な出来事の中に人物の心理や人間関係の機微を丁寧に映し出す作品として評価されています。一方『
天国大魔境』は文明崩壊後の日本を舞台にしたポストアポカリプスSFで、謎に満ちた世界観と複数視点の並行構成が特徴。その他『
木曜日のフルット』はノラネコと人間の日常をショートギャグで展開し、『
ネムルバカ』は大学生の青春と友情を静かに描きます。作風の幅は広いながらも、「何が起きるか分からない」という緊張感と、人物たちの内面への向き合い方が共通項として流れています。
『
それでも町は廻っている』は全16巻で完結しており、手軽に世界観に入り込めるため入門に最適です。日常系を好む読者なら、本作から始めるのが分かりやすいでしょう。より冒険的な作品を求めるなら『
天国大魔境』がおすすめで、現在も『月刊アフタヌーン』で連載継続中。短編的な楽しみなら『
木曜日のフルット』も。刊行から時間が経った作品も現行版が流通しており、手に入れやすいのも魅力。作品ごとに異なる表現世界を体験できます。