矢立肇は、日本を代表するロボットアニメ『
機動戦士ガンダム』シリーズの生みの親です。富野由悠季らと協力し、宇宙世紀という壮大な架空の歴史体系を構築した人物として知られています。その活動は単なる漫画制作にとどまらず、テレビアニメやOVA、劇場版など多くのメディアにおけるガンダム世界の企画・原案を手がけてきました。矢立肇が関わった作品は多岐にわたり、ガンダムシリーズの拡張に大きく貢献しています。パラレルワールド設定の「Another U.C.」シリーズの開発にも携わるなど、既存の正史に縛られない自由な世界観の創出にも意欲的です。
矢立肇の代表作は、いずれもガンダムシリーズのスピンオフ・外伝作品です。『
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は安彦良和の画により、アニメ版とは異なる独自設定でガンダムの起源を描き、高い人気を獲得しています。『
機動戦士ガンダム サンダーボルト』は太田垣康男の手による、ハイコンテラストな絵柄で戦争の過酷さをリアルに表現した作品です。『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』はメカ設定を深掘りしながら、歴史に埋もれたパイロットの運命を追う群像劇となっています。『
機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズは、より遠い未来の宇宙世紀を舞台とした冒険活劇です。共通する特徴として、正史と異なる設定を活かしながら、戦争の中に生きる兵士たちの人間ドラマを丁寧に描くことが挙げられます。
矢立肇の作品は複数の漫画家との協業が多いため、それぞれ異なる絵柄と描き方が楽しめます。ガンダム初心者なら、アニメ本編の知識がなくても楽しめる『THE ORIGIN』からの入門がおすすめです。よりダークな戦争描写を求めるなら『
サンダーボルト』、メカと歴史設定の深さを味わいたいなら『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』が適しています。多くの作品が現在も連載中または新装版で入手可能であり、単行本も継続的に刊行されています。ガンダムシリーズ専門誌『ガンダムエース』や『
ビッグコミックスペリオール』での連載作が中心のため、比較的新しい版での購入が容易です。