トニーたけざきは1963年大阪府出身の漫画家で、1982年に「PAPER STAR」で第10回小学館新人コミック大賞佳作を受賞しデビューしました。漫画家・園田健一との交流があり、園田のアマチュア同人誌での活動がきっかけで初期作『AD.ポリス』シリーズを執筆するなど、業界内での人間関係を大切にしてきました。「寡作な作家」として知られており、長期連載よりも短編やシリーズ作品を手がけることが多いのが特徴です。2008年の第47回日本SF大会では暗黒星雲賞ゲスト部門を受賞。創作だけでなく、既存作品への向き合い方が独特な作家として認識されています。
トニーたけざきの代表作は『
トニーたけざきのガンダム漫画』で、『
機動戦士ガンダム』をベースにした一話完結のパロディです。安彦良和の画風に意図的に似せており、その再現度の高さは本人や業界人から驚嘆されるほど。ファーストガンダムの深い知識を前提とした通好みのネタが満載で、TV版と映画版の設定の相違を活かしたギャグを展開しています。『
岸和田博士の科学的愛情』はマッドサイエンティストの活躍を中心とした長編で、12巻まで完結しています。他に『エヴァンゲリオン』や『
攻殻機動隊』など人気作品のパロディ・トリビュート作品も手がけており、原作への深い理解と愛情をベースに、マニアックなユーモアで再解釈するのが作家の一貫した特徴となっています。
トニーたけざきへの入門は『
岸和田博士の科学的愛情』がおすすめです。12巻で完結しており、パロディではなく独自の世界観を展開しているため、作家の基本的な作風を掴みやすいでしょう。次に『
トニーたけざきのガンダム漫画』に進むと、作家の本領である「原作への愛に基づいたパロディ職人ぶり」が実感できます。ただしこちらは『
機動戦士ガンダム』をリアルタイムで見ているか、DVDなどで視聴していることが楽しむ前提条件となります。その他のエヴァンゲリオンやポン子シリーズなどは短編で気軽に読めます。現在も『月刊ガンダムエース』で連載中の作品が多く、新刊の入手は容易な状況が続いています。