野口賢は1991年に『
週刊少年ジャンプ』増刊で『リエカ』により漫画家としてデビューした。拓殖大学出身で、1980年代後半は巻来功士のアシスタントとして『
ザ・グリーンアイズ』などの制作に携わった経験を持つ。デビュー後の少年誌時代は『柳生烈風剣連也』『竜童のシグ』『BE TAKUTO!!〜野蛮なれ〜』といった格闘・バトル漫画を『
週刊少年ジャンプ』に次々と連載したが、いずれも短期で打ち切られている。その後、活躍の場を青年誌に移し、『大空港』や『
傭兵ピエール』など原作者との協業作品で画力を磨いてきた。劇画に近い独特で重厚な絵柄と、横からの視点を多用した構図が作風の大きな特徴となっている。
代表作『
バビル2世 ザ・リターナー』は、横山光輝の名作『
バビル2世』を現代にリメイクした作品で、超能力者たちの激突を描くSF冒険漫画である。『
KUROZUKA―黒塚―』は歴史冒険譚としての色合いが強く、アニメ化もされている。『
公道ウルフ』は現代社会を舞台にした作品として長期連載されている。また『
幕末転生伝 新選組リベリオン』など、歴史題材への取り組みも多い。野口の作風は、劇画的な画風による重厚さと迫力が共通する特徴だ。横からの角度で人物や動作を描くことで、読者に独特の臨場感をもたらす。少年誌のバトル漫画から青年誌の大人向けエンタメ作品まで、幅広いジャンルで職人的な画力を発揮する漫画家として位置付けられる。
野口賢の入門作としては『
バビル2世 ザ・リターナー』が最適だ。現在連載中の作品で、重厚な画風とSF冒険ストーリーの組み合わせから、作家の持ち味がよく伝わる。次に『
KUROZUKA―黒塚―』で完結作を読むのも良い。10巻でまとまった世界観を体験でき、かつアニメ化されているため映像版との比較も楽しめる。『
公道ウルフ』は現代を舞台にした別の魅力を知る上で有効だ。野口の代表作の多くは秋田書店など複数出版社から刊行されており、電子版の取り扱いも充実している。少年誌時代の短期打ち切り作品群を除けば、ほぼ全作が現在でも入手可能な状態にある。劇画的な画風が好みであれば、どの作品からでも楽しめるだろう。