宮崎県出身の漫画家・大暮維人は、1997年の『
天上天下』連載開始から、高いアクション描写とキャラクター表現で活躍を続けています。2002年から『
週刊少年マガジン』で始めた『
エア・ギア』は、モーター内蔵の特殊シューズ「エア・トレック」を用いたハイスピードストリートアクション漫画として大きな人気を獲得。第30回講談社漫画賞少年部門を受賞し、アニメ化も実現させました。その後も『
ウルトラジャンプ』を中心に、小説家・舞城王太郎とのコラボ作『
バイオーグ・トリニティ』や、西尾維新の原作を漫画化した『
化物語』など、多くの作品を手がけています。原画やイラスト業務も並行して行い、多方面で活動する表現力の高い作家です。
『
天上天下』は、特殊な力を持つ不良少年と常人の武道家という対照的な主人公たちが、学園を舞台に様々な格闘を繰り広げる作品。シリアスなバトルシーンの迫力と、合宿や日常風景の等身大な描写が融合した独特の魅力があります。流血やグロテスクな表現も多く、またコミカルなギャグも織り交ぜながら、青年たちの成長を描いています。『
エア・ギア』は舞台を街へと移し、高速移動を可能にする架空のシューズを軸としたアクション漫画。躍動感あふれる描線と、スピード感のあるストーリー展開が特徴です。大暮作品に共通するのは、激しい動きや戦闘を高いレベルで表現する力、複雑な背景や機械描写への徹底したこだわり、そしてシリアスとユーモアのバランス感覚です。
初めての読者には『
エア・ギア』がおすすめです。完結済みで全37巻と読み切りやすく、わかりやすいアクション設定とハイテンポなストーリーが大暮維人の魅力をつかみやすいからです。キャラクターの成長や人間関係も丁寧に描かれており、長編を読む満足感が得られます。次に『
天上天下』へ進むと、より複雑な世界観と掘り深いテーマに触れられます。モノクロ版とカラー版の両版がありますが、カラー版は現在連載中の新装版です。また、より実験的な作風に興味があれば『
バイオーグ・トリニティ』も選択肢になります。いずれも講談社の版が現在も流通しており、入手は容易です。