熊本県人吉市出身のとり・みきは、知的で精緻な作風で知られる漫画家です。1958年生まれ。多様なジャンルを手がけてきた経歴を持ちながらも、とくに歴史や思想を題材とした作品に定評があります。ヤマザキマリとのコラボレーション作『
プリニウス』では、古代ローマの博物学者・政治家である大プリニウスを主人公に、歴史ファンタジー的なアプローチで人物像を掘り下げています。また筒井康隆の作品を漫画化するなど、文学的素養を活かした仕事も多く、原作ものから創作まで幅広い表現活動を展開しています。
最大の代表作は『
プリニウス』です。ヤマザキマリとの共作で、2014年から連載された歴史漫画で、古代ローマの知識人・大プリニウスの人生を描きます。博物学者としての探究心や、時代の激動のなかでの葛藤が丁寧に表現されています。『
筒井漫画涜本』は著名な小説家・筒井康隆の作品を漫画化したもので、文学への深い理解と漫画表現を融合させた意欲作です。『
石神伝説』や『
SF大将』など、ユニークな題材を扱った作品も手がけています。とり・みきの作風は、歴史や思想に真摯に向き合い、キャラクターの内面描写を丹念に行うところが特徴です。単なるエンタメに収まらない、知的な読み応えを備えています。
とり・みきへの入門には『
プリニウス』が最適です。古代ローマへの興味がなくても、人物中心の歴史漫画として読み進められる魅力があります。同作は2023年まで『新潮』で連載され、現在までに複数巻が刊行されており、入手しやすい状況にあります。文学好きなら『
筒井漫画涜本』で、創意工夫に満ちた漫画化の手法を楽しむのも良いでしょう。どの作品も、知識欲旺盛で思考的な読者に向いています。連載・単行本化の状況は随時確認が必要ですが、出版社のサイトや書店検索で最新情報が得られます。