神奈川県出身の漫画家・イラストレーター、望月淳。スクウェア・エニックスの『
月刊ガンガンJOKER』を主な活動の場とし、一貫してゴシックな世界観とファンタジーの要素を融合させた作品を手がけています。デビュー作となる2006年の『
PandoraHearts』は『
月刊Gファンタジー』で長期連載され、『
不思議の国のアリス』などの童話をモチーフにした独特の世界観で多くの読者を魅了しました。その後も『
ヴァニタスの手記』など、ダークながらも希望を感じさせる物語を次々と発表し、作家としての確固たる立場を築いています。細緻で優美な画風と、複雑に絡み合った人物関係・設定を巧みに描く手腕が特徴です。
望月淳の代表作『
PandoraHearts』は、2006年から2015年まで9年間にわたって連載された大作。古典文学からの引用やモチーフを随所に配置しながら、少年と吸血鬼、そして魔導書にまつわる運命を描いています。累計780万部を突破する大ヒット作となり、アニメ化も実現しました。一方、現在連載中の『
ヴァニタスの手記』は、蒸気機関が発達した19世紀フランスを舞台に、吸血鬼と人間が織り成す「救い」の物語。どちらの作品も、精密で優雅な世界観、意図的に配置された伏線、そして人物の心理描写の深さが特徴です。望月淳の作風は、ゴシック美学とファンタジー的な設定の中に、人間らしい感情や葛藤を丁寧に描き込むことで知られています。
望月淳の世界への入門は、やはり『
PandoraHearts』から始めるのが最適です。24巻で完結済みのため、通して楽しむことができます。ゴシック系の物語が好きな方、複雑な設定や伏線を追う楽しみを求める方に特に向いています。次に『
ヴァニタスの手記』へ進むと、望月淳がいかに作家として進化したかが感じられるでしょう。本作は現在も『
月刊ガンガンJOKER』にて連載中で、新刊も継続的に刊行されています。また、2005年の読み切り『パンドラハーツ』や、完結作『忘却の覇王ロラン』など、中編・短編作品も存在するため、時間に応じた読み方も可能です。いずれも出版社がスクウェア・エニックスのため、流通も良好で入手しやすくなっています。