美樹本晴彦は、1980年代のアニメ黄金期を代表するキャラクターデザイナーにして漫画家です。東京都杉並区出身、慶應義塾大学工学部出身。学生時代から河森正治や細野不二彦といった後の業界人との関係を築き、アートランドに入社後『超時空要塞マクロス』のキャラクターデザイン・作画監督を担当。繊細で魅力的な美少女キャラクターを生み出す「美樹本キャラ」として一躍有名になりました。その後『メガゾーン23』『
トップをねらえ!』『ガンダム0080』など数々の名作アニメに携わり、キャラクターデザイナーとしての地位を確立。1988年から漫画連載を開始し、イラストレーター兼漫画家として活動を続けています。
美樹本の漫画キャリアを代表するのは『マクロス7 トラッシュ』と『超時空要塞マクロス THE FIRST』です。『THE FIRST』は、2009年より開始したマクロス原点の漫画化で、アニメ放送から27年を経てシリーズの新規ファンに原点を改めて見せる試みとして制作されました。この作品では鉛筆画をデジタル加工する手法を導入し、技術的な挑戦も行っています。近年は『
機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』や『
まんが人物伝』など、歴史人物や既存作品の深掘りを題材とした作品を執筆。アニメーター出身ならではの動感のある描線と、長年培った人物描写の魅力が、漫画作品にも生かされています。
美樹本の漫画作品を入門する際は、『超時空要塞マクロス THE FIRST』から始めるのがお勧めです。アニメ版マクロスに親しみのある読者なら、原典の漫画化版として楽しめますし、美樹本のビジュアル表現をキャラクターデザイン時代から進化させた描線で体験できます。また『
機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』は、ガンダム世界への補足的な読解も可能です。『
まんが人物伝』は連載中で、美樹本が得意とする人物描写を活かした作品となっています。これらの作品は電子版・紙版ともに継続刊行されており、比較的容易に入手可能です。