北海道苫小牧市出身、現在は千葉県を拠点に活動する漫画家。三部けい、三部敬、瓦敬助といった複数のペンネームでも執筆しており、多彩なジャンルに取り組む姿勢がうかがえます。イラストレーターの兼処敬士を妻に持ち、創作活動を続けています。2010年代初頭からの連載経歴を見ると、各出版社の主力誌を舞台に、サスペンスやミステリーを中心とした作品群を発表。読者層に強く支持される作家として定着しており、特に『
僕だけがいない街』では大手アワードでの受賞・高順位入選など、創作の質の高さが広く認められています。
最大の代表作『
僕だけがいない街』は、過去へ戻る能力を持つ主人公が、自分と周囲に降りかかる悲劇を防ぐため奔走するサスペンス作品です。タイムループという非日常的な設定を土台に、登場人物たちの心理描写と推理的緊張感を絶妙に調和させた傑作として評価を集めました。『
魍魎の揺りかご』は修学旅行の船が沈没する中、乗客たちが生き残りと謎の解明に奔走するパニック・サスペンス。急転する状況の中で少しずつ真相が浮き彫りになっていく構成は、彼の得意とする手法です。『
鬼燈の島』『
13回目の足跡』『
夢で見たあの子のために』など、連載作品も多く、いずれもミステリーや心理的な緊迫感を軸とした物語性の強い作品ばかり。絵柄は丁寧で、登場人物の表情や心情の起伏をシナリオと共に視覚的に伝える力に優れています。
入門作として『
僕だけがいない街』は最適です。全8巻(外伝含む全9巻)で完結しており、単純明快なあらすじながら複層的なサスペンスが展開するため、三部けいの魅力を一度に味わえます。レビュー数も他作品を圧倒しており、読者からの支持の厚さが実感できるでしょう。その後、『
魍魎の揺りかご』といった密室冒険ミステリーへ進むのも良いでしょう。連載中の作品も複数あるため、単行本で段階的に追えます。各作品は異なる出版社・媒体での連載のため、入手経路は多岐にわたりますが、いずれも単行本化されており、一般流通で購入可能です。