リチャード・ウーは、日本の漫画原作者・編集者・プロデューサーとして活動する長崎尚志の筆名です。1956年生まれで、漫画編集者としての経歴を持ちながら、原作者として多くの作品を手がけています。名古屋造形大学の客員教授を務めるなど、教育現場にも携わった経験があります。週刊漫画ゴラクを主な舞台として、実在の未解決事件や複雑な刑事事件をテーマにした作品を多数発表。単なる娯楽作品ではなく、法と正義の本質に問いかけるような重厚なストーリー構成が特徴で、その原作作品はテレビドラマ化されるなど、漫画の枠を超えた影響力を持っています。
リチャード・ウーを代表する作品は『
クロコーチ』です。政治家や実業家の醜聞を握り、犯罪をもみ消す悪徳警官・黒河内圭太が主人公。数々の未解決事件に独自の仮説を提示し、法の外側で正義を遂行する物語で、「ダーク・ミステリー」というジャンルを確立させました。その後の『
警部補ダイマジン』は同じ世界観の数年後を舞台とした続編的作品で、強い正義感を持つ警察官が「法で裁けない犯人に対して悪をもって悪を制す」ピカレスクサスペンスとなっています。このほか『
卑弥呼』は歴史冒険活劇、『
アブラカダブラ』は猟奇犯罪を扱うなど、幅広いテーマに取り組んでいます。共通するのは、法制度の限界や社会の矛盾に直面した人物たちの葛藤と行動を、時に容赦なく描く姿勢です。
リチャード・ウーの作品は、刑事ミステリーの重厚な世界観から入門するのが最適です。『
クロコーチ』は単独で完結した長編で、23巻とボリュームがあり、未解決事件の真相に迫る緊張感が続きます。この作品で作風を理解した上で、同一世界を舞台とした『
警部補ダイマジン』へ進むと、キャラクターの背景や世界観の深さがより理解しやすくなります。両作品ともテレビドラマ化されているため、映像版との比較も可能です。作画を担当するコウノコウジとのコンビも継続しており、安定した画風で読みやすくなっています。現在も複数作品が連載中のため、最新巻も入手しやすい環境にあります。