ありま猛は1954年生まれ、鹿児島県出身の漫画家です。児童養護施設で育ち、15歳で退所後、上京して工場勤務をしながら漫画家志を温め続けました。あだち充の兄であるあだち勉のアシスタントとなり、1971年『
週刊少年ジャンプ』で「よい子」でデビュー。その後、古谷三敏の事務所に9年間在籍し、1981年に独立しました。大きなヒット作なくマイナー系雑誌を中心に活動してきた経歴を持つ劇画家ですが、2020年に過去作品がSNSで話題となったことで、改めて注目を集めています。困難な人生経験が、その後の作品制作の糧となっています。
ありま猛の代表作は『
連ちゃんパパ』です。1994年から1997年にかけてパチンコ雑誌『パチプロ7』に連載されていた全43話の作品で、高校教師である主人公がパチンコへの執着により、誠実な人物から卑劣漢へと堕落していく様を描いています。パチンコ漫画雑誌の掲載ながら、テクニック解説よりも人物の内面的な崩壊に重点を置いた重厚な物語構成が特徴です。その他『
御意見無用』など、ありま猛は社会の暗部や人間ドラマを題材にした劇画作品を多く手がけています。また近年は『
あだち勉物語』で、自らの師匠の人生を描き、恩人への向き合い方を作品化しています。
ありま猛の入門には『
連ちゃんパパ』がおすすめです。2020年にKADOKAWAから描きおろしあとがき漫画を収録した全4巻の単行本が発売されており、手に取りやすくなっています。電子書籍版も秋水社から配信されているため、手軽に読むことも可能です。師であるあだち勉への深い思慕を知りたい場合は『
あだち勉物語』から入るのも良いでしょう。同作はサンデーうぇぶりで連載中で、あだち充の協力により制作されています。かつての作品は「マンガ図書館Z」でも公開されており、作家の全体像を追うことができます。