愛知県大府市出身の女性漫画家・坂ノ睦は、艶々に師事して漫画の道に進みました。大垣女子短期大学卒業後、2006年の「まんがカレッジ」入選を皮切りに、創作活動を始めています。スクウェア・エニックスマンガ大賞では「大地の足」で特別大賞を受賞し、その後『
ゲッサン』(
小学館)を主な連載誌として活動してきました。現在、瀬戸ミクモをアシスタントに迎え、複数の作品を並行して執筆しており、読者層からも一定の支持を集めています。
代表作『
あやしや』は、2012年から『
ゲッサン』に5年間連載された坂ノ睦の主軸作品です。呉服商の12歳の少年・仁が、鬼喰いの鬼「だまり」と一心同体となり、母親を失った過去の真相に向き合う物語。和の美しさと怪異の恐ろしさが同居した世界観が特徴です。他の代表作『
忍びの国』『
明治ココノコ』でも、歴史的背景を持つ日本を舞台に、妖怪や不可思議な現象と向き合う人間ドラマを描いています。坂ノ睦の作風は、日本の伝統文化(特に和装)への深い造形知識、幽玄で緊迫感のあるストーリー展開、そして少年少女が身を置く奇想天外な事態への対処を描く点に集約されます。絵柄は清潔感があり、表情の細やかな描写で登場人物の内面を表現しています。
最も評価が高い『
あやしや』から入るのが最適です。怪異ファンタジーでありながら、歴史や人間関係の深さがあり、坂ノ睦の魅力を余すところなく感じられます。文庫化や新装版での復刊も期待しやすい作品です。『
忍びの国』『
明治ココノコ』は、時代背景は異なりますが同様に和の世界観と不可思議さを融合させた作風を持ち、読み進める際の次作候補として相応しいでしょう。坂ノ睦は『
ゲッサン』の看板作家として重要な位置にあるため、同誌のバックナンバーや電子版での入手が比較的容易です。