和田竜は1969年生まれ、大阪出身で広島育ちの脚本家・小説家です。母が坂本竜馬のファンだったことが名前の由来となり、後年その名前がきっかけで司馬遼太郎の『
竜馬がゆく』に出会い、歴史への深い興味が芽生えました。大学卒業後、番組制作会社でテレビドラマのADを務めるも、現場の環境に馴染めず退職。その後、業界紙の記者をしながら脚本執筆を続け、2003年の城戸賞入選を経て、2007年に『
のぼうの城』を小説として出版し作家活動をスタートさせました。本屋大賞候補作となるなど、従来の時代小説とは異なるニューウェーブの旗手として注目を集めています。
代表作『
のぼうの城』は、関ヶ原の戦いの時代を舞台に、豊臣秀吉の遺児・豊臣秀頼の城を守る人々の奮闘を描いた歴史冒険小説です。明快で躍動感あふれる筆致で、従来の重厚な時代小説とは一線を画す読みやすさが特徴です。『
忍びの国』は信長の時代を背景に、忍者たちの活躍を描く痛快活劇。『
村上海賊の娘』は戦国期の瀬戸内海を舞台に、海賊一族の娘の冒険を軸とした作品で、連載が続いています。共通するのは、歴史的事実を土台としながらも、登場人物たちの活動的で前向きな動きを前面に押し出し、テンポよく物語を進める手法です。豪快さと人情味のバランスが取れた世界観が、新しい時代小説ファン層を開拓しています。
入門には『
のぼうの城』がお勧めです。時代小説の入り口として最適な長さと、明快で引き込まれる物語運びが特徴で、歴史小説初心者でも楽しめます。その後、『
忍びの国』で信長の時代の別の視点を、『
村上海賊の娘』で戦国期の海上での活躍を追うという読み方が自然です。『
のぼうの城』は単行本で刊行済み、『
村上海賊の娘』はマンガ版が複数巻連載中で継続して購入できます。また『
涙切姫』のような外伝作品もあり、既に読んだ世界をさらに掘り下げることも可能です。和田竜の作品は全体的に入手しやすく、現在も新たなマンガ化・映像化が進む など、活発に読まれ続けています。