穂積は2010年、『月刊フラワーズ』のコミックオーディションで銀の花賞を受賞し、その翌年にデビュー作『
式の前日』で本格的にデビューしました。主に小学館の『月刊フラワーズ』で活動し、短編から連載作品まで幅広い作品を手掛けています。デビュー以来、数多くの作品がレビューされ、読者からの支持を集めている作家です。その作品は単なる物語の枠を超え、舞台化やミュージカル化されるなど、漫画の枠を越えた広がりを見せています。
『
さよならソルシエ』は19世紀末のパリを舞台に、画商テオドルス・ファン・ゴッホと無名だった頃のフィンセント・ファン・ゴッホの関係を描いた歴史冒険ロマンで、2014年「このマンガがすごい!」オンナ編で1位を獲得しました。『
うせもの宿』は失くしたものが見つかる宿を舞台に、そこを訪れる客たちの後悔と未練を描く幻想短編集で、生と死、あの世とこの世の境界をテーマとしています。『
僕のジョバンニ』はチェロという楽器を軸に、海難事故で母を失った少年たちの絆と成長を追う青春音楽ロマンです。穂積の作品群に共通するのは、歴史や幻想といった時間的・空間的な広がりへの志向性、そして音楽や美術といった芸術要素への深い関心です。
最大のレビュー数を誇る『
式の前日』は短編集形式で穂積の世界観に入りやすく、入門に最適です。次に『
さよならソルシエ』で歴史ロマンの面白さを、『
うせもの宿』で幻想性と心理描写を経験するのが良いでしょう。『
さよならソルシエ』は完結済みで全2巻、『
式の前日』と『
うせもの宿』は既刊本が小学館フラワーコミックスで手に入りやすいです。『
僕のジョバンニ』は連載再開時期未定のため、既刊5巻までが現在読める範囲となります。