此元和津也は2006年に漫画家としてデビューした日本の作家です。その後、2013年から『
別冊少年チャンピオン』で連載した『
セトウツミ』が大きなヒットとなり、映画化、テレビドラマ化、オーディオブック化と複数のメディア展開を経験しました。この作品を通じて、日常の何気ない会話や時間の過ごし方を丁寧に描く作家としての地位を確立します。2018年からは映像制作会社ピクスに所属し、脚本家としての活動もスタート。現在は漫画だけでなく、アニメや映像作品の脚本など、複数のメディアを舞台に創作活動を展開する多角的なクリエイターとなっています。
此元和津也の代表作『
セトウツミ』は、大阪を舞台に、放課後の河原で繰り広げられる男子高校生二人の会話を中心とした作品です。キャッチコピー「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」が示すように、特に大きな事件や劇的な展開がなく、日常の時間つぶしが繰り返されていきます。関西弁を用いた会話劇により、キャラクターの個性と関係性を活き活きと表現しています。この作品は実写映画化、テレビドラマ化を通じて、多くの読者に愛されました。此元の作風は、一見すると地味だが深い魅力を持つ日常描写、登場人物たちの自然な掛け合いの面白さ、青春期の何気ない瞬間を大切にする視点が特徴です。
此元和津也の作品を読むなら、まずは代表作『
セトウツミ』から始めるのがおすすめです。複数メディアで展開されている知名度の高さに加え、会話を中心とした独特の魅力が、この作家の創作姿勢を最も端的に体験できます。全8巻で完結しており、一気読みしやすい分量です。映画やドラマ版を先に見た方も、原作漫画の細部まで丁寧に描かれた世界観を改めて味わう価値があります。その他『
オッドタクシー』など複数の連載作品を展開していますが、『
セトウツミ』を通じて此元の基本的な作風を理解した上で、他の作品に進むことで、その創作の多様性をより深く鑑賞できるでしょう。