綱島志朗は岡山県出身、1978年生まれの漫画家。少年時代にロボットアニメに魅了され、メカデザイナーを目指していたが、その道筋が見えなかったことから「漫画なら自分のやりたいことができる」と考え、漫画の道へ進むことを決めた。1年の期限を設けて上京し、持ち込みを開始。3、4社目のエニックス(現・スクウェア・エニックス)で『月刊ガンガンWING』の代原として『ライフ・エラーズ』でデビュー。その後、キャラクターメインの作品を経て、念願だったロボット漫画『ジンキ-人機-』の連載へ至る。アシスタント経験がないまま持ち込みからほぼすぐにデビューしたため、編集者から「デビュー段階で水準の力量を備えていた」と評されている。
綱島の代表作は『
ジンキ』シリーズと『
人狼機ウィンヴルガ』。後者は階層化した世界で主人公たちが支配者「ドミネイター」に抵抗する物語で、ロボット戦闘と同時に社会的な抑圧や過酷な現実を描く作品となっている。シリーズ化された『
ジンキ』も含め、綱島の作風の中核は「メカ」にある。ロボットの設定やメカニズムへのこだわりは強く、単なる戦闘道具ではなく物語の重要な要素として機能させる。同時に、キャラクターの苦難や社会構造の問題に向き合う傾向が見られ、少年漫画的な娯楽性と大人向けの問題提起を両立させようとする野心的な作家である。
綱島志朗の作品を初めて読むなら、レビュー数が多い『
人狼機ウィンヴルガ』から入るのが無難。現在『
ヤングチャンピオン烈』で『叛逆篇』として連載中であり、『
チャンピオンRED』での初期連載分と合わせて既刊が充実している。ただしこの作品は成人向けの描写を含むため、その点を理解したうえで手に取ってほしい。ロボット漫画としてのメカへのこだわりと、社会的な問題描写の組み合わせが綱島の特徴なので、そうした要素に興味があれば読む価値がある。ジンキシリーズの各作品も引き続き刊行・連載中のため、段階的に作家の世界観を追っていくこともできる。