せきやてつじは1969年生まれ、福岡県北九州市出身の漫画家です。福岡大学を中退後、映画専門学校に進み、CM制作会社で働いた経験があります。この会社員時代の挫折や失敗の経験が、後の代表作『
バンビ〜ノ!』に登場する主人公が自信を失うシーンに反映されるなど、現実の人生経験を作品に活かす作家です。2000年に『
ジャンゴ』で漫画家としてデビュー。地元への愛着が深く、北九州市立美術館のマスコットキャラクターをデザインしたり、2014年には北九州市文化大使に委嘱されるなど、創作活動の傍ら地域貢献にも力を入れています。
代表作『
バンビ〜ノ!』は、イタリア料理への情熱を持つ大学生が福岡のレストランで成長していくグルメ漫画です。2005年から2013年にかけて第1部・第2部で計28巻が刊行され、第53回小学館漫画賞を受賞、テレビドラマ化もされました。続く『おうどうもん』も同様に、特定の題材(麻雀)を軸として主人公の人間的な成長を丁寧に描く構成です。これらの作品は、シリアスな主人公の葛藤や周囲との関わりを真摯に描きながらも、コミカルなキャラクター描写や会話で物語に緩急をつけることが特徴。近年の『
火線上のハテルマ』では、ボディーガード組織に身を投じた青年が国際的に活躍する重厚なストーリーへと作風をシフトさせており、より大人向けの冒険活劇となっています。
『
バンビ〜ノ!』から入るのが最適です。イタリア料理という身近でありながら奥深いテーマを通じ、主人公の挫折と成長が丁寧に描かれており、本作で作家の基本的な魅力が理解できます。その後、続編の『バンビ〜ノ!SECONDO』に進むと、より複雑な人間関係のなかでの成長が描かれます。グルメ漫画としての側面と成長物語の両立に興味を持ったなら、『おうどうもん』も同様のアプローチで楽しめます。より冒険活劇的な作品を求める読者には『
火線上のハテルマ』が向いています。バンビシリーズは小学館ビッグコミックスから完全版が入手可能で、現在も読める環境が整っています。