長野県出身のコージィ城倉は、グラフィックデザイナーを経て25歳で漫画界に転身しました。1989年のプロデビュー後、青年誌で活動していましたが、『
砂漠の野球部』で週刊少年サンデーに登場すると、その独特の野球観で注目を集めます。以来、野球漫画を得意とする作家として活躍し、漫画家としての活動と並行して、原作者名義「森高夕次」でも多くの作品を手掛けています。梶原一騎の別名「高森朝雄」に倣ったペンネームが示すように、スポーツ根性ものの伝統を引き継ぎながらも、新しい表現を模索し続ける作家です。高校時代は捕手として野球部に所属した実体験が、作品の説得力を生み出しています。
『
砂漠の野球部』は砂漠という舞台で野球を描く異色作として異彩を放ち、その後の野球漫画の新たな可能性を示しました。『
おれはキャプテン』は中学から高校へと舞台を移す長期連載で、主人公たちの成長と葛藤を丹念に描き、続編『
ロクダイ』では東京六大学野球へと世界を広げています。『
プレイボール2』もまた長く愛される野球漫画の続編です。一方、『
ももえのひっぷ』ではお色気ラブコメディへと活動領域を広げるなど、スポーツものに限らない多彩なジャンルに取り組んでいます。共通するのは、キャラクターの心理描写の細やかさと、日常の中に潜む葛藤をリアルに描く姿勢です。
長編作品が多いため、入門には『
砂漠の野球部』(11巻完結)から始めるのがよいでしょう。この作品でコージィ城倉の野球観と絵柄の特徴が把握できます。その後、『
おれはキャプテン』(全35巻、現在も連載中)へ進むと、より深い人間ドラマが味わえます。『
プレイボール2』『
キャプテン2』といった続編群も現在連載中で、新しいエピソードが読める状況です。原作者名義での作品にも優れた作品が多いため、余裕があれば『
グラゼニ』といった金銭面をテーマにした野球漫画も視野に入れるとよいでしょう。これらの作品は講談社と小学館の各レーベルで刊行されており、電子書籍でも広く利用できます。