山本賢治は1993年に『COMIC CANDY TIME』でデビューした漫画家・原作者です。デビュー当初は成年漫画を中心に、電波系やグロ系統の作品を発表していましたが、秋田書店の『
週刊少年チャンピオン』で『スカルポイント』を短期集中連載し、少年誌への進出を果たしました。その後、カードゲームのメディアミックス漫画『
カオシックルーン』やメディアファクトリーの『月刊コミックアライブ』での『ガイスターバーン』など、幅広い媒体で活動。手塚治虫の傑作『
ブラック・ジャック』のリメイク版も手がけるなど、既存の作品への独自の解釈を加える仕事も行っています。2007年に網膜剥離と緑内障を患い視力が低下したため、以降は執筆ペースに影響が出ています。
最大の代表作は『
trash.』で、D.P作画による青年漫画です。新宿歌舞伎町を舞台に、殺し屋コンビが暴力団幹部に雇われて裏社会の悪党たちと対峙する物語。猟奇的犯罪者や特殊技能を持つ殺し屋との壮絶な戦闘が描かれ、ゴアシーンや性的描写といった過激な表現が随所に登場します。主要人物が次々と殺されていく悲劇的な展開も特徴的です。『
カオシックルーン』はファンタジー要素を持つ作品で、リメイク版『
ブラック・ジャック〜黒い医師〜』ではブラックな描写と萌え描写を原作に加え、『
カオシックルーン』のキャラをゲスト登場させるスターシステムを採用しています。全体として、グロテスク描写とダークなストーリーテリングが山本作品の核です。
山本賢治の作風を一番よく知るなら『
trash.』から入るのがおすすめです。11巻まで刊行されており、連載は継続中。グロテスク描写と人間ドラマが密接に結びついた世界観を体験できます。成年漫画系の過激な描写に抵抗がなければ、この作家の真骨頂が味わえます。より穏やかなエントリーポイントを求めるなら、『
カオシックルーン』シリーズから始めるのも良いでしょう。手塚治虫の『
ブラック・ジャック』が好きな方であれば、『
ブラック・ジャック〜黒い医師〜』でこの作家がどのようにリメイクしたかを比較読みするのも興味深い体験になるはずです。