百田尚樹は1956年大阪府生まれ。放送作家として『探偵!ナイトスクープ』の構成を手がけるなど、テレビ業界で活躍した後、2006年に『永遐の0』で小説家としてデビューしました。父親が第二次世界大戦に出征した経歴を持つ著者は、執筆にあたって家族の経験を重要な素材としています。小説家としての活動は2019年に引退を宣言していますが、作品の影響力は現在も大きく、累計発行部数は20億部を超える規模に達しています。放送構成から小説へと活動の軸足を移した経歴から、物語構成と大衆的な訴求力に長けた作家として知られています。
デビュー作『
永遠の0』は、当初多くの出版社に認められず太田出版から発表されましたが、文庫化後に大きな支持を得て、オリコン本ランキング文庫部門で歴代初のミリオンヒットとなり、さらに400万部を突破しました。漫画化・映画化・テレビドラマ化など複数のメディア展開がなされています。『海賊と呼ばれた男』は本屋大賞を受賞した代表作で、作家自身も「直木賞よりも最高の賞」と評価するなど大きな達成感を示しました。作品全般として、戦争、冒険、人間ドラマを題材にした長編が特徴で、歴史的背景を丁寧に描きながら個人の運命と時代を交錯させる手法が共通しています。テレビ放送作家時代の経験を活かした、読者を惹き込む構成力が作風の大きな特徴です。
入門には、最大のベストセラーとなった『
永遠の0』がおすすめです。現在、複数出版社から文庫版が流通しており、入手しやすくなっています。漫画版も刊行されているため、読みやすさを重視する場合はそちらも選択肢となります。本屋大賞受賞作『海賊と呼ばれた男』は、より野心的なスケールの作品を求める読者向けです。ただし、作家本人が2019年に小説家引退を宣言しているため、今後の新作発表の予定はありません。既刊作品は主要出版社から継続して販売されているため、著作全体を通じて読むことは十分可能な環境が保たれています。