英田サキは大阪府生まれの小説家で、主にBL小説の分野で活動してきました。『小説June』の栗本薫による「小説道場」出身で、2002年に「傷痕」でデビュー。2004年に『NGだらけの恋なんて』を出版し、本格的な作家活動をスタートさせます。BL小説のみならず、アイダサキという別名義で一般向けの小説も手がけるなど、多彩な執筆活動を展開していました。BL文学の発展期から第一線で創作を続けてきた重要な作家の一人です。2024年2月にがんとの闘病を公表し、同年8月に逝去されました。
代表作には『エス』シリーズ(大洋図書)と『
DEADLOCK』シリーズ(徳間書店)があります。『
たかが恋だろ』は多くのレビューを集める作品で、タイトルが示す通り恋愛を主軸に据えながらも、単なる甘い関係性に留まらない深さを追求しています。『
DEADLOCK』は長編シリーズとして複数巻展開し、複雑な人物関係と緊張感のある物語構成が特徴です。英田の作風は、BLというジャンルの枠を超えて、人間関係の複雑さや心理描写を丁寧に掘り下げることにあります。一般小説として執筆した『幽霊探偵 久良知漱』シリーズなども、登場人物の内面や葛藤を重視する姿勢を示しており、全作品に共通する真摯な物語世界観が感じられます。
入門作としては『
たかが恋だろ』がおすすめです。最も多くのレビューを集めており、英田の作風を感じやすい一編となっています。BL小説初心者でも読みやすく、この作家の本質的な魅力を理解する良い起点になるでしょう。その後『
DEADLOCK』シリーズへ進むことで、より複雑で長編的な作品世界を堪能できます。BLに留まらず、アイダサキ名義の『幽霊探偵 久良知漱』シリーズなども併読すれば、より多角的に作家の全体像を把握することができます。主要作品のほとんどが継続刊行中または既刊が入手可能な状態にあるため、読みやすい環境が整っています。