漆原侑来は1990年生まれ、長野県松本市在住の漫画家です。最初は美容師として働いていましたが、21歳の時に同僚のサロンで読んだ漫画の面白さに衝撃を受け、翌日に退職して漫画家志望へと転身。その後、出版社への持ち込みを繰り返しながら絵の研鑽を重ね、別の名義での連載も経験しています。23~24歳の時に中村明日美子のボーイズラブ作品に影響を受け、目の描き方などに反映させました。『
週刊少年チャンピオン』掲載の髙橋ヒロシ『
クローズ』など、同誌のヤンキー漫画を愛読していたことが秋田書店への持ち込みにつながり、2020年に『
桃源暗鬼』で連載デビュー。人前に出ることが苦手という性質と、「才能がないと生きていけない世界」という認識が、漆原の創作姿勢の根底にあります。
代表作『
桃源暗鬼』は、桃太郎伝説を現代にアレンジした作品で、鬼の子孫の視点から鬼と桃太郎の子孫の戦いを描いています。2026年4月時点で累計600万部を超える人気作であり、フランスを含む海外でも刊行されるなど、国際的な評価も得ています。漆原の作風は「イケメンをたくさん描きたい」という強い意思から、登場人物に美形キャラクターが多く配置されることが特徴です。また『
桃源暗鬼』のキャラクター制作を通じて、女性キャラクターはムチムチとした体格で描くようになり、これが作品の個性となっています。制作面では絵のクオリティを最優先とし、1日半でネームを仕上げた後、残りの時間をすべて作画に充てるほど。アシスタント2名体制で背景や大きなページを分担し、緻密な描写と迫力あるコマ割りを実現しています。
漆原侑来の作品は現在、『
桃源暗鬼』が『
週刊少年チャンピオン』で連載中であり、単行本は30巻まで刊行されています。入門は当然『
桃源暗鬼』第1巻からで、30巻まで続く長編のため、じっくり読み進める価値があります。同作は桃太郎という日本人なら誰もが知る素材を、鬼側の視点という意外性で再構成しており、従来の民話のイメージを覆す斬新な世界観が魅力です。また『
桃源暗鬼外伝 〜月と桜の狂争曲〜』(全2巻)も刊行されているため、本編とあわせて読むことで、より深く物語世界を味わえます。漆原のイケメンキャラと独特の画風を体験したい読者にとって、これ以上ない入門作となるでしょう。