古川五勢は、2020年代から講談社のデジタルメディアで活躍する漫画家です。『マガジンポケット』でのデビュー作『
犬になったら好きな人に拾われた。』が代表作となり、同作品は『
少年マガジンR』『月マガ基地』など複数媒体での連載を経験。2023年にはテレビアニメ化されるなど、デジタル発表から着実に注目を集めています。独特の視点設定と恋愛ドラマの組み合わせに特徴があり、従来のラブコメディの枠にとらわれない表現を模索する作家として位置付けられます。デジタル媒体を主軸としながらも、紙媒体への展開にも成功し、多元化する出版環境への適応力を示しています。
『
犬になったら好きな人に拾われた。』は、主人公が犬の姿に変身してしまい、同じクラスの女子・犬飼に拾われるという非常設定から始まるラブコメディです。本作の最大の特徴は「犬目線」という独特の視点表現で、ローアングルから見た日常風景を通じてキャラクターの内面や恋愛の揺らぎを描写します。これを「VR風ラブコメ」と銘打つことで、読者が通常とは異なる没入感を得られる工夫がなされています。古川五勢の作風全般を見ると、既存のラブコメディの型式に新しい視点や設定を組み込み、読者の予期しない体験を提供することに力点があります。その他の作品でも、日常的な関係性の中に物語性を忍ばせるアプローチが一貫しています。
古川五勢の入門作は間違いなく『
犬になったら好きな人に拾われた。』です。本作は既刊9巻が展開中で、講談社の複数電子媒体で安定供給されており、紙書籍でも刊行されています。電子版には特典描き下ろし漫画が付与される版も用意されているため、複数の読み方が可能です。ユニークな設定に興味がある読者や、従来のラブコメディに新しい表現を求める読者に適しています。本作の連載が複数媒体を経由したことから、どの出版形態で追いかけるか、入手しやすさによって選択することをお勧めします。デジタル連載という本来の舞台から、テレビアニメ化を経ての拡大展開まで、本作の軌跡そのものも作家の活動を理解するうえで参考になります。