ぶんころりは、2000年代初頭にインターネット上で二次創作を趣味として執筆を始めたライトノベル作家です。『
ゼロの使い魔』『
魔法少女リリカルなのは』など人気作品の二次創作を手掛けながら、やがてオリジナル小説へ移行。「小説家になろう」などのWeb小説投稿サイトで活動し、『田中のアトリエ 〜年齢イコール彼女いない歴の錬金術師〜』で第3回ネット小説大賞を受賞、2015年に書籍化されデビューします。その後も「カクヨム」での執筆を続け、『
佐々木とピーちゃん』で第4回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞を受賞。現在はMF文庫Jから複数シリーズを展開する、Web発信から出版化に成功した作家の一人です。ペンネームの「ぶんころり」は、Web時代の過激なペンネーム「金髪ロリ文庫」から編集者の提案により改名されたもので、その経緯自体が作家のキャラクターを物語っています。
最高部数75万部を超える『
佐々木とピーちゃん』は、異世界でのスローライフを目指す主人公が現代での異能バトルに巻き込まれるという、設定だけで笑える独特な構成が特徴です。『田中の魔法使い』は、年齢がそのまま彼女いない歴の青年が魔法の力を得て活躍する物語で、自虐的かつ前向きなユーモアで支持を集めています。『
西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜』も同様に、現実と異能の世界のギャップをコミカルに描く傾向が見られます。共通するのは、洋画のコメディから影響を受けた独特のユーモアセンス。「とにかく目立つ」ことを意識した大胆なタイトルづけも作風の一部で、荒唐無稽な設定を真摯に描くことで、むしろ物語に説得力が生まれるという作家的な工夫が随所に感じられます。
入門作として『
佐々木とピーちゃん』をお勧めします。MF文庫Jのソフトカバー版で刊行中の最新作であり、レビュー数も最多で、現在も連載継続中。作品の雰囲気をつかみやすく、ぶんころりのコメディセンスが最も洗練されている一作です。次に『田中の魔法使い』へ進むと、Web小説時代からの作風を追体験できます。こちらはGCノベルズから書籍化されていますが、2024年5月で刊行終了しているため、電子版などで入手できます。両作品ともWeb版が無料で公開されているので、興味を持ったら公開サイトで試し読みするのも良好です。シリーズ作が複数あるため、好みの作品を見つけたら関連作へ広げていく読み方をお勧めします。