京都府出身の久世岳は、荒川弘の『
鋼の錬金術師』に感銘を受けて漫画家を志しました。美術大学のカートゥーンコースで学び、学生時代の部活動や接客業での経験を通じて、上下関係や理不尽なルールへの対応力を身につけています。これらの経験は、後の作品制作に大きく活かされることになります。アシスタント経験を経ずに新人賞への投稿を開始し、2014年に20歳でケンタウルスを題材とした『Irene』が第25回スクウェア・エニックスマンガ大賞に入選。翌2015年1月号の『
月刊少年ガンガン』掲載でデビューを果たしました。その後、『ガンガンONLINE』『comic POOL』『ヤングアニマルZERO』など複数媒体で連載を展開しています。
代表作『
うらみちお兄さん』は、子供向け教育番組「ママンとトゥギャザー」に出演する31歳の体操のお兄さんと、番組関係者の世知辛い日常を描くブラック系ギャグ漫画です。第3回「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門第1位、2017年度「WEBマンガ総選挙」インディーズ部門第1位受賞。恋愛群像コメディ『
トリマニア』は「身も蓋もないこと」を題材にしており、2017年の書店の品揃えについてのツイートが7万リツイートを獲得するなど話題となりました。久世の作品の魅力は「よくも悪くも個性的」で愛おしいキャラクターにあります。本人の負の感情をギャグに昇華させ、読者の共感を呼ぶ作風で知られ、海外翻訳でもユーモアが伝わりやすいと評価されています。
久世岳の入門作には『
うらみちお兄さん』がおすすめです。Pixivコミック内の『comic POOL』で連載中であり、電子版で気軽に読み始められます。コミックス版も複数巻刊行されており、一般的な書店や電子書籍サービスで入手可能です。累計150万部を突破した人気作であり、現在も連載が続いており、アニメ化もされています。キャラクターの個性に惹かれたら、『
トリマニア』『
ニラメッコ』へと広げていくのもよいでしょう。久世の作品には繋がりのある設定が組み込まれているため、複数作品を読むことでより深い楽しみが得られます。