流水りんこ(本名:流水凜子)は1962年東京都練馬区生まれの漫画家です。多摩美術大学で日本画を学んだ後、1983年に「柳野みずき」名義でデビュー。その後ペンネームを「流水凜子」に改め、主にホラー漫画を手がけていました。
作家人生の転機となったのは、バックパッカーとしてインドを旅行していた時代。バラナシの安宿で働く中でインド人マネージャー・サッシーと出会い、1995年に結婚します。現在はサッシーとの間に2児をもうけ、練馬区内に南インド料理店「ケララバワン」を営むサッシーを支えながら創作活動を続けています。
ホラー作品を描く際は「流水凜子」、インドでの経験や国際結婚・育児をテーマにしたエッセイ漫画では「流水りんこ」(ひらがな表記)とペンネームを使い分けており、その多面的な活動ぶりが特徴的です。
流水りんこの代表作は『
インド夫婦茶碗』で、24巻まで続く長編エッセイ漫画です。インド人の夫・サッシーとの日常を描いており、文化の違いから生じるユーモラスなエピソード、育児の奮闘記、インド料理店の経営など、実体験に基づいた豊かな物語世界が広がっています。
このほか『
満員電車は観光地!?』では日本の日常風景を外国人の視点でとらえ、『
流水りんこのインド占星術は深いぞ〜!』『
流水りんこのアーユルヴェーダはすごいぞ〜!』などインド文化や知識を教養的に紹介する作品も手がけています。『
流水さんちの浮遊霊』ではホラーの素養を活かしながらも、軽妙なユーモアを交えた展開が特徴です。
全体的に、インドでの経験と日本の日常を対比させることで、文化的な違いや面白さを発見させる作風。ホラーの技法を保ちつつも、親しみやすく、読んで学べるエンターテインメント性の高い漫画を多く生み出しています。
流水りんこの作品は大きく二つの系統に分かれます。国際結婚やインド文化に興味がある読者には『
インド夫婦茶碗』から始めるのが最適です。24巻まで刊行され連載中で、サッシーとの関係性の成長、子どもたちの成長を長く追える快感があります。
インドの知識や日本との文化比較を楽しみたい場合は『
満員電車は観光地!?』『インド占星術』『アーユルヴェーダ』といった1~2巻の短編作品がおすすめ。各作品は独立しており、気になったテーマから手に取りやすくなっています。
ホラー好きで、かつ著者の多面的な魅力を知りたい場合は『
流水さんちの浮遊霊』で、創作初期のホラー技法とエッセイ的な温かみが融合した作風を楽しめます。いずれの作品も現在も出版されており、入手しやすいのが利点です。作家の人生そのものが物語になっている点が、流水りんこ作品の大きな魅力といえるでしょう。