黒乃奈々絵は栃木県出身の漫画家。作新学院高等学校美術デザイン科で美術教育を受けた後、漫画の道へ進みました。2000年代初頭、エニックス(現スクウェア・エニックス)の『
月刊少年ガンガン』で『新撰組異聞PEACE MAKER』を発表し、その後マッグガーデンの『月刊コミックブレイド』を主な舞台として活動してきました。歴史ファンタジーと吸血鬼などの伝承を題材にした作品を次々と生み出し、アニメ化や各種メディアミックス展開を実現させるなど、多くの読者に支持されてきました。2023年、連載作『
PEACE MAKER鐵』の休止を発表し、創作活動の課題に向き合う姿勢を示しています。
最高峰は『
PEACE MAKER』シリーズです。第一部『新撰組異聞PEACE MAKER』は、少年・鉄之助が新撰組に入隊から池田屋事件までの道のりを描く歴史冒険譚。史実の流れを尊重しながらも、創作で肉付けしたキャラクターたちが生き生きと動く作品です。続編『
PEACE MAKER鐵』は、その三ヶ月後を舞台に展開し、長く愛されています。
もう一つの代表作『
Vassalord.』は、吸血鬼と執事が主人公の女性向けファンタジー。キリスト教伝承や異国情緒を織り交ぜ、B級映画的な台詞回しと躍動的なアクションで、男女問わず魅了しました。黒乃の作風は、歴史や伝承への深い知識、個性的なキャラクター設計、迫力ある絵柄が特徴。複数の舞台や時代を自在に行き来し、読者を物語世界へ引き込みます。
入門は『
PEACE MAKER』第一部からがお勧めです。完結しており、歴史冒険譚として分かりやすく、黒乃の魅力が詰まった傑作です。その後、続編『
PEACE MAKER鐵』へ進むことで、より深い世界観を味わえます。
別の作風を試したい場合は『
Vassalord.』が最適。全7巻で完結し、吸血鬼ファンタジーの傑作として定着しています。両作品とも単行本はマッグガーデンから刊行されており、入手しやすい環境にあります。『
PEACE MAKER』はアニメ化もされているため、映像化作品との比較も興味深いでしょう。作者は現在、健康上の課題を公表していますが、これまでの作品は全て読める状態です。