阿部かなりは、アニメ化作品の漫画化を中心に活動する漫画家です。プロダクションアイムズ制作のテレビアニメ『
ハイスクール・フリート』の漫画版を手がけ、13巻という長期連載で読者に定着した実績を持ちます。日本列島が水没したパラレルワールドという独特の世界観を、連載を通じて丁寧に描き上げてきました。また『
ガールズ&パンツァー』のコミックアンソロジーにも参加するなど、設定が充実したメディアミックス作品の漫画化に携わる傾向が見られます。ファンタジー的な設定を土台としながらも、現実の知識(艦船設定など)を活かした作品づくりが特徴です。
主力作である『
はいふり』は、海上が舞台の学園冒険譚で、ブルーマーメイドという海上保安・防衛職を目指す女子生徒たちの活動を描きます。作中には第二次世界大戦期の艦船をはじめ、現用・旧式の船舶が多数登場し、歴史的な艦船知識が物語に組み込まれています。13巻の長期連載を支えたのは、世界観の構築力と、キャラクター群による群像劇の手法です。阿部かなりの作風は、背景設定を重視し、その中で複数の登場人物を活かすタイプ。『
ガールズ&パンツァー』コミックアンソロジーなど他作品への参加からも、既存の設定世界を理解し、そこに新たな視点を加える適応力の高さがうかがえます。作画は劇画的で、動きのあるシーンと日常描写のメリハリが効いています。
阿部かなりの漫画に初めて触れるなら、『
はいふり』から始めるのが最適です。13巻という分量はありますが、一貫した世界観と物語の中で、この作家の設定重視のスタイルが最も活きています。海上冒険、学園、群像劇といった複数の要素がバランス良く配置されているため、読み始めやすい入口となるでしょう。現在連載中の作品であり、紙版・電子版ともに入手が容易です。世界観を楽しみたい読者に向いており、艦船や歴史設定への興味があればさらに没入度が高まります。その後、『
ガールズ&パンツァー』など他メディアの関連作品にも目を向けると、阿部かなりがいかに既存設定を活用しているかが見えてくるでしょう。