宮田紘次は東京造形大学を卒業し、2006年の第8回エンターブレインえんため大賞で「蛇腹」が佳作入賞。翌年『コミックビームFellows!』で「猫でタンデム」によってデビューした漫画家です。短編や読み切り作品を多く手がけ、『コミックビーム』や『Fellows!』といった雑誌を主な発表の場としていました。東京造形大学出身という背景から、独特の美的センスと造形感覚を作品に取り込んでいたと考えられます。キャリアの中では連載作品と読み切り作品を並行して制作していた活動を見せていました。
最も人気を集めた『
犬神姫にくちづけ』は、不思議な設定と人物関係を軸とした作品です。『
ききみみ図鑑』は『コミックビーム』での初連載作で、短編的な構成ながら読者の支持を集めました。『
真昼に深夜子』『
ヨメがコレなもんで。』『
うたたね姫』と続く作品群からは、宮田の創作上の特徴が見えます。奇想天外な設定や日常と非日常の境界を曖昧にする世界観、そこに登場するキャラクターたちの関係性の綾どりを丁寧に描くスタイルが共通しています。絵柄は洗練された線で、独特の空気感を作品全体に満たしており、短編形式から長編まで一貫した美意識が貫かれています。
入門作としては、レビュー数が多い『
犬神姫にくちづけ』から始めるのが最適です。同作は6巻まで進み、作家の世界観を存分に味わえます。その後『
ききみみ図鑑』『
真昼に深夜子』といった短編寄りの作品へと進むと、宮田の創作の多様性が理解できるでしょう。『
うたたね姫』は読み切り作品として単独でも完結しており、短時間で魅力を感じることができます。現在、これらの作品の多くは電子書籍を含む形で入手可能な状態が続いており、個別の作品から気になるものを選んで読み始めることができます。