小路啓之は1970年大阪府守口市生まれの漫画家です。1997年にちばてつや賞準大賞で「殺しのライセンス」がデビュー作となり、その後アフタヌーン四季賞などで次々と新人賞を受賞。新人時代から複数のペンネーム(大塚康生、犬塚康生、うらら)を使い分けていました。2000年の『
イハーブの生活』で『月刊アフタヌーン』にて初連載を開始。その後『GENZO』『コミックバーズ』『スーパージャンプ』など様々な出版社の媒体で作品を発表し、多くの作品を手がけてきました。2016年10月、サイクリング中に心筋梗塞を起こし46歳で逝去。絶筆となった『
雑草家族』『
10歳かあさん』を含む作品集が2017年に刊行されています。
小路啓之の作品は、一見レトロで無国籍的な世界観が特徴です。登場人物には精神的に傷ついたシニカルなキャラクターが多く、内向的で不器用な主人公が中心となることが多くあります。『
ごっこ』『
犯罪王ポポネポ』『
来世であいましょう』『
かげふみさん』といった代表作たちは、静かな日常の中に歪んだ人間関係や心理的葛藤を描き出しています。作風の最大の特徴は、物語が終盤に向かって急速に加速する「怒涛の展開」です。作家本人は「まず結末を設定してから漫画を描く」と語っており、この先読みがたい結末こそが小路作品の核をなしています。そのため完結するたびに読者から賛否両論が起こり、その独特の終わり方は強い印象を残します。
小路啓之の作品は、結末重視で構成される独特の物語体験が魅力です。入門には、レビュー数が最も多い『
ごっこ』や『
犯罪王ポポネポ』がおすすめです。これらは作家の作風を典型的に示す作品として読者の評価も高くなっています。初期作『
かげふみさん』から読み始めるのも良いでしょう。ただし、小路作品は終盤の急展開を経験してこそ真価を発揮するため、途中で感想を確認せず、一気読みすることをお勧めします。絶筆となった作品を含む『
小路啓之作品集』も刊行されており、短編や新人時代の作品も確認できます。出版社が講談社・幻冬舎・集英社と分散しているため、気になる作品から入るのが現実的です。