市川マサは2009年に『
週刊少年マガジン』で『
A-BOUT!』を連載開始してデビューした漫画家です。作家志望に至った背景には、本人の悩みである「どもり」があります。特に疲労時にア行の言葉で症状が強くなり、学生時代のコンビニアルバイト経験も含め、言葉を発することへの葛藤が創作への動機になったと述べています。漫画の執筆姿勢は「反テクニック」。テクニックを意識的に学ぶのではなく、自分の感覚を信じて描くというスタイルを貫いており、ネームは編集部のネーム室で作画しています。師匠は玉越博幸で、アシスタントとして岡田卓也がサポートしています。既婚者で、創作活動を続けながら家庭生活を営んでいます。
市川マサの代表作は『
A-BOUT!』で、上野を舞台とした作品です。興味深いことに、作者自身が学生時代の経験から15年間上野を避けていたにもかかわらず、この作品の執筆のためにその地と向き合うことになります。『A-ABOUT!〜朝桐大活躍編〜』はスピンオフ作品として続編を展開し、キャラクターの掘り下げを行っています。『
僕はどこから』『
モーニング』『
イブニング』といった作品も執筆しており、長期連載をこなしています。市川マサの作風は、テクニックに頼らない直感的な表現を特徴とします。言葉と向き合う葛藤を背景に持つ作家だけに、キャラクターの内面描写や会話を丁寧に描く傾向が見られ、人間ドラマを軸足とした物語構成が予想されます。
市川マサの入門作品として『
A-BOUT!』から始めるのが自然な流れです。作者のデビュー作であり、現在も連載中で、最も多くのレビュー数を集めています。その後、スピンオフの『A-ABOUT!〜朝桐大活躍編〜』で世界観をより深く理解できます。『
僕はどこから』『
モーニング』『
イブニング』は、より長編的な構成を求める読者向けです。これらの作品は多くが連載中であり、定期的に新しい話数が出版されているため、継続して追いやすいのも利点です。個人的なトラウマや葛藤を作品に昇華させる作家の姿勢を感じながら読むと、より深い味わいが得られるでしょう。