滋賀県大津市出身の唐々煙は、代々木アニメーション学院で学んだ後、漫画家として活動を開始した。作家名の「唐々」は出身地の大津市内に実在する地名「唐崎」に由来する。地元の歴史や文化を創作の背景に据えることが多く、特に『
曇天に笑う』は出身地の琵琶湖や大津の情景を舞台にした作品として知られている。2019年には大津市からびわ湖大津ふるさと観光大使に任命され、地元の文化発信に貢献している。漫画だけにとどまらず、アニメ化・舞台化・実写映画化など多角的なメディア展開を手がけ、エンターテインメント作品を総合的に構成する力量を示している。
最大の代表作『
曇天に笑う』は、明治11年の架空の日本を舞台にした時代冒険譚で、琵琶湖に浮かぶ絶対脱獄不可能な監獄「獄門処」を守る曇三兄弟と、そこへ送り込まれる重罪者たちの葛藤を描く。妖怪「大蛇」の出現やダークな設定とキャラクターの成長を交織させ、テレビアニメ・舞台・実写映画とメディアミックス展開された。続編『
煉獄に笑う』は同じ世界観を継承しながら物語を拡張している。『
Replica』『
カウントダウン 7days』『
シニガミ×ドクター』など、他の作品でも超自然的な設定と人間ドラマを組み合わせる傾向が見られる。全体として、和風の歴史舞台や妖怪といった題材と、キャラクター同士の緊迫した関係性を作風の特徴としている。
まず『
曇天に笑う』の全6巻から始めるのが最良の入門である。完結済みで完全な物語を体験でき、この作家の世界観とテーマを網羅できる。その後、同じ設定世界を舞台にした『
煉獄に笑う』へ進むと、より深い物語体験が得られる。現在も複数の作品が連載中で、新刊が定期的に刊行されている。唐々煙の作品は出身地・滋賀の歴史や地理に根ざした設定が多いため、大津市や琵琶湖への興味がある読者にも楽しめる。メディアミックス作品が多いため、アニメ版や実写映画を先に見てから漫画へ入るという逆順も選択肢として機能する。