矢口高雄は、自然の中での生活をテーマにした作品で知られる漫画家です。1939年生まれ、本名は高橋高雄。『
週刊少年マガジン』で1973年から1983年にかけて『
釣りキチ三平』を連載し、一躍人気作家となりました。この作品は単行本の累計発行部数が5000万部を超える大ヒット作となり、日本国内だけでなく韓国、台湾、イタリアなど海外でも出版されるなど、国際的な認知を得ています。また『
幻の怪蛇バチヘビ』では日本中にツチノコブームを起こすなど、漫画を通じて自然への関心を喚起してきました。株式会社矢口プロダクションの代表取締役として活動を続け、『平成版・釣りキチ三平』など継続的に新作を発表していました。
矢口高雄の代表作『
釣りキチ三平』は、釣りが大好きな少年・三平が日本中、世界中のさまざまな魚釣りに挑戦する物語です。単なる釣りの技術解説ではなく、少年の冒険と成長を軸に、多種多様な魚との出会い、釣り場の風景、地域の文化が丁寧に描かれています。アニメ化や実写映画化(2009年公開)もされ、広く愛されました。その他『
幻の怪蛇バチヘビ』も矢口の代表作として知られます。矢口の作風の特徴は、釣りや自然探求といった実在の活動を題材にしながらも、その過程で新種発見やミステリーといった冒険要素を織り交ぜることです。綿密な取材に基づきながらも、漫画としてのエンターテインメント性を失わない、バランスの取れた作品づくりが評価されています。
矢口高雄の入門は『
釣りキチ三平』で間違いありません。釣り知識がなくても、少年の冒険ドラマとして十分に楽しめます。全65巻の大作ですが、時間をかけて読み進める価値があります。その後『
釣りキチ三平 平成版』で平成時代の新展開を知ることができます。釣りやアウトドア、自然冒険ものが好きな読者は特に没入しやすいでしょう。現在も『
釣りキチ三平』は講談社版など複数の版が流通しており、入手しやすい状況が続いています。また『
ボクの手塚治虫』のようなエッセイ作品も矢口の人柄と漫画観を知るうえで興味深い作品です。