広島県出身の漫画家・イラストレーター、宇河弘樹。2000年代を代表する作品『
朝霧の巫女』で多くの読者に知られています。同作は『
ヤングキングアワーズ』に2000年から2007年まで長期連載され、テレビアニメ化も実現。広島県三次市を舞台にした和風ファンタジーで、出身地の風土を活かした作品創作の姿勢が伺えます。デビューから現在まで、異世界ファンタジーや怪異を題材とした作品を手掛け続けており、同時にイラストレーターとしても活動。近年は『
猫瞽女』『
黒の創造召喚師―転生者の叛逆―』など、新しいテーマの連載作品を発表しており、創作活動は現在も継続中です。
宇河弘樹の代表作『
朝霧の巫女』は、少年が田舎の町で巫女一族と関わりながら、次々と現れる怪異に立ち向かう冒険譚です。副題「平成稲生物怪録」の通り、古典の怪談を現代にアレンジした設定が特徴。全9巻という適度な長さで完結し、物語として完成度の高さを評価されています。その他の作品『
猫瞽女』『
黒の創造召喚師―転生者の叛逆―』では、異なるジャンルの異世界ファンタジーや召喚師といったテーマに挑戦。宇河作品に共通するのは、民俗学的な素養を感じさせる怪異設定、地方の情景を活かした背景描写、そして個性的なキャラクターが織りなす人間関係です。画風は劇的な場面表現と丁寧なディテール描写を両立させており、オカルト的な世界観を説得力をもって表現しています。
新しい読者であれば、まずは『
朝霧の巫女』から入ることをお勧めします。完結済みで全9巻という読み切りやすい長さと、和風ファンタジー初心者にも親しみやすい設定が魅力です。電子版を含め、各電子書店で比較的入手しやすい状況が続いています。作風をさらに深く知りたい場合は、短編集『おるたな』で多様な創作の側面を確認できます。現在連載中の『
猫瞽女』『
黒の創造召喚師―転生者の叛逆―』で、新作での宇河弘樹の現在地を知ることも可能。長編で世界観を味わいたい人は『
朝霧の巫女』、短編で多様な作風を楽しみたい人は短編集という選び方が効果的です。