桐木憲一は1976年3月8日生まれ、山口県出身の漫画家・イラストレーター。1991年に『
週刊少年ジャンプ』のホップ☆ステップ賞で『ななせ君のバカ』が入選し、デビューを飾りました。当初は少年誌での活動を中心としていましたが、その後青年誌を活動の場として展開。漫画制作以外にも、かつてのトキワ荘と同じエリアにある紫雲荘で漫画志望者のワークショップを担当するなど、創作環境づくりにも携わっています。2017年に漫画家・手塚るみ子と結婚。イラストレーターとしても活躍し、2014年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』ではキャラクターデザインを務めるなど、多角的に創作に関わっています。
『
東京シャッターガール』は桐木の代表作であり、2010年から『週刊漫画ゴラク』で連載された作品。写真部に属する女子高生が、フィルムカメラを携えて東京の街を歩み、実在する名所を訪ねて写真を撮り、そこで出会う人々と触れ合う様子を描く短編集です。一話5ページという短編形式で、叙情的で静かな世界観が特徴。単行本には撮影ポイントの地図や街歩きマップが付されるなど、物語と実在する場所が結びついた構成になっています。その後『
金沢シャッターガール』で同じコンセプトを別の都市に展開。桐木の作風は、カメラという視点を通じて街並みや人間関係の機微を丁寧に表現する、静かで心情的な描写が共通しています。
『
東京シャッターガール』は短編形式で読みやすく、この作家の入門に最適な作品です。実在する東京の風景が描かれているため、地元の知識がなくても、また逆に東京に詳しい読者であっても楽しめます。叙情的で落ち着いた物語を求める読者に向いています。単行本は全3巻で完結し、現在でも出版されています。『
金沢シャッターガール』で同じフォーマットを別角度から体験することもできます。なお、『
東京シャッターガール』は2013年に実写映画化されており、映像化作品との比較鑑賞も興味深いでしょう。