里見桂は1956年新潟県生まれの漫画家で、1978年に「ロックシティ」でデビューしました。40年以上のキャリアを持ち、精緻な描写と知識を要する題材を得意とする作風で知られています。その仕事ぶりは、複雑で技術的な内容を視覚的に説得力を持って表現する能力にあります。特に1990年代から2000年代にかけて、複数の長編作品を手がけ、集英社の「スーパージャンプ」などで活躍してきました。描き込みの緻密さと、一つの題材を深掘りする姿勢が、読者に強い印象を与える漫画家です。
里見桂の代表作『
ゼロ THE MAN OF THE CREATION』は、原作・愛英史との共作で、超人的な才能を持つ贋作者ゼロを主人公とする一話完結の連作です。全78巻に及ぶ大作で、ゼロは絵画・彫刻・陶器から刀剣・料理・工業製品まで、あらゆるものを完璧に複製・再現します。豊富な知識と優れた五感、驚異的な記憶力を駆使したストーリーは、各回ごとに異なる題材を扱うため、読むたびに新しい世界観を体験できます。その他『
ファウスト』『
マリー・アントワネットの料理人』など、歴史や美術、職人技といったテーマを扱う作品が多く、細部への執着と知識の深さが作風の特徴です。
里見桂の入門には、最も評価の高い『
ゼロ THE MAN OF THE CREATION』がおすすめです。一話完結形式のため、どの巻からでも読み始められる気軽さがあります。精密な描写と知識が詰まった作品を求める読者にはうってつけです。全78巻という長さが気になる場合は、傑作選『
ゼロ Masterpiece Collection』や『
ゼロ The Great Selection』といった特選版もあり、エッセンスを効率的に味わえます。現在も集英社から継続刊行されているため、入手も容易です。より短編で作風を試したい場合は『
マリー・アントワネットの料理人』などもあります。