秋田県出身の漫画家・武田すん。東京都北区を活動の拠点としながら、独特の世界観を持つ作品を手がけています。講談社のヤングマガジンシリーズを主な舞台に創作活動を展開し、特に『ヤングマガジンサード』では看板作品を生み出しました。武田の作家としての特徴は、一見するとポップで親しみやすいキャラクター設定から始まりながらも、その中に不可思議な設定や予測不能な展開を仕込む点にあります。バトルとラブコメの要素を融合させた作風は、少年漫画と少女漫画の枠を越えた幅広い層に支持されており、代表作『
グレイプニル』では30万部を超える発行部数を記録しています。
武田すんの最大の代表作は『
グレイプニル』です。主人公が無意識のうちに獲得した、ゆるキャラ系の着ぐるみのような怪物への変身能力と、その中に入ることができる少女を中心に、非日常的なバトルと恋愛を絡ませたストーリーが展開します。平凡な日常と超常的な力を持つ世界の融合、そして変身能力という視覚的に面白い設定が特徴です。他の作品群では、『世界の果てで愛ましょう』シリーズで愛や距離というテーマを、『
ハルとナツ』では新たな視点から日常を描いています。共通する作風として、一見シンプルに見える設定から複雑な物語世界へ導く手法、キャラクターの心情変化を丁寧に追う表現力、そして個性的なキャラクターデザインが挙げられます。
武田すんの作品に初めて触れるなら、圧倒的なレビュー数を誇る『
グレイプニル』から入るのが最適です。独特の変身能力という視覚的に分かりやすい設定と、バトルとラブコメのバランスの良さで、作家の魅力を存分に味わえます。2015年より『ヤングマガジンサード』で連載が始まり、その後『
月刊ヤングマガジン』へ移籍し2023年5月号まで連載されていることから、既刊全14巻の完全な流れを追うことができます。次のステップとして『世界の果てで愛ましょう』シリーズへ進むと、武田の異なる表現側面が見えてきます。新作『
あるいて一歩!!』や『
これ喰ってシメ!』も連載中で、現在も作家の創作活動は継続中です。