貞本義行は1962年生まれ、山口県出身の漫画家にしてアニメーター、キャラクターデザイナーという多面的なキャリアを持つクリエイターです。漫画制作だけにとどまらず、アニメ業界での仕事も数多く手がけており、映像化作品のビジュアル開発に深く関わることで知られています。株式会社カラーの相談役を務めるなど、アニメーション制作の中核的な立場にもあります。妻は漫画家のたかはまこで、愛知県高浜市に在住。アニメとマンガという異なるメディアの表現方法を自在に行き来できる、現代的なクリエイターの代表的存在です。
貞本の代表作は、細田守監督のアニメ映画をマンガ化した『
サマーウォーズ』『
時をかける少女』『
おおかみこどもの雨と雪』など。これらは映画の世界観を巧みにマンガ表現に翻訳した作品で、繊細なキャラクター描写と丁寧なストーリー展開が特徴です。また『
新世紀エヴァンゲリオン』では、アニメの世界観をマンガ化し、独自の解釈を加えた優れた作品を生み出しています。共通する作風として、精緻で洗練されたキャラクターの顔立ちや表情表現、清潔感のある絵柄が挙げられます。青春や家族、人間関係の機微を描くことに長けており、映像作品の映画的な魅力をマンガに移す才能に定評があります。
貞本義行の作品は、アニメ映画のファンであれば映像と比較しながら楽しむのが効果的です。入門には圧倒的レビュー数を誇る『
サマーウォーズ』がおすすめ。映画を見てからマンガを読む、あるいはその逆というように、異なるメディアでの表現の違いを味わえます。『
時をかける少女』『
おおかみこどもの雨と雪』も人気で、同じ映画原作マンガながら異なる魅力が感じられます。これらの作品は現在も入手可能で、多くが連載中のため完結を待たずに読み進められます。アニメーターとしてのキャリアに興味がある読者にとっても、映像表現をマンガにどう落とし込んでいるかという観点から学べる、質の高い作品群です。