宮尾岳は香川県出身の漫画家で、1959年生まれ。高校時代に漫画同好会で活動した後、上京して東京デザイナー学院で学びました。1979年卒業後はアニメーション製作会社に勤務し、東京ムービー新社や日本アニメーションで動画・原画を担当。『機甲創世記モスピーダ』『メガゾーン23』といったロボットアニメのデザインワークなど、多くの作品に携わってきた経験があります。その後イラストレーターとして『
魔物ハンター妖子』のキャラクター原案などで注目を集め、1993年以降は漫画家としての活動がメインになっています。アニメーター時代の豊かなキャラクターデザイン経験と、細部への意識が漫画作品にも色濃く反映されています。
宮尾岳の代表作は『
並木橋通りアオバ自転車店』シリーズです。自転車店を舞台に、自転車をめぐる様々な人間模様や物語を丹念に描いており、1999年から2011年まで『
ヤングキング』に長期連載。その後も『
アオバ自転車店』『
アオバ自転車店へようこそ!』『
アオバ自転車店といこうよ!』など続編として展開が続いており、シリーズ全体で多くの読者に支持されています。このシリーズからも分かるように、作家本人の「自転車が大好き」という思いが作品の根底にあり、他作品でも自転車や自転車関連の要素がしばしば登場します。また『
二度目の人生 アニメーター』など、自身の経歴に関連した題材も描いており、人生経験を丁寧に漫画化する職人気質が特徴です。
宮尾岳の入門作として最適なのは『
並木橋通りアオバ自転車店』シリーズです。全20巻で完結した初代から始めるのが読みやすく、その後も『
アオバ自転車店へようこそ!』『
アオバ自転車店といこうよ!』と続編が続いており、現在も新作が連載中です。シリーズは人間関係が緩やかにつながっているため、初代から順序立てて読むことをお勧めします。アニメーター経験を描いた『
二度目の人生 アニメーター』も、作家の別の一面を知る上で面白い作品です。これらの作品は少年画報社の『
ヤングキング』および関連誌で長期連載されてきたため、単行本化も充実しており、入手しやすくなっています。