北海道十勝地方出身の叶恭弘は、1992年に投稿作「BLACK CITY」がホップ☆ステップ賞に入選し、『週刊少年ジャンプ増刊』に掲載されたことでデビュー。以来30年近く、主に『
週刊少年ジャンプ』とその関連媒体で作品を発表し続けています。本人が「年平均一本というノロノロペース」と語るほど、読み切りと連載を交互に進める独特のペースで活動してきました。2014年からはウェブ配信サイト『少年ジャンプ+』にも進出し、デジタル時代の作家へと適応しています。高校まで北海道で過ごし、その後も長期連載を行いながら、短編集の刊行を通じて作家としての表現の幅を広げてきました。
代表作『
エム×ゼロ』は、魔力がゼロの主人公が魔法学園に入学するという設定で、ラブコメ的な恋愛要素と非現実的なファンタジー世界を融合させた作品です。『
プリティ フェイス』も恋愛を軸にしながら、ユニークなキャラクターと設定で人気を集めました。『
鏡の国の針栖川』では、より暗くシリアスなストーリーへと傾倒しています。叶の作風の特徴は、ラブコメ的要素が強い一方で、本人が「基本的に暗い話を描くのが好き」と述べるほど、シリアスな物語への志向が根底にあります。魔法や非科学的な題材をよく扱い、映画や漫画の世界観を愛する作者だからこそ説得力を持つ設定が多いです。
入門作としては『
エム×ゼロ』が最適です。ラブコメと魔法学園の設定で親しみやすく、全10巻で完結しているため読了しやすいでしょう。ファンタジーと恋愛のバランスを知ることができます。その後『
プリティ フェイス』に進めば、作者の別の恋愛観を感じられます。よりシリアスな作品を求めるなら『
鏡の国の針栖川』や短編集『Snow in the Dark』をお勧めします。現在は『
KISS×DEATH』と『
きるる KILL ME』が連載中で、ウェブと紙媒体での最新作を追うことができます。多くの作品が完結しており、集英社の通常単行本版や電子書籍で手に取りやすい状態です。