山岸凉子は、1947年北海道出身の漫画家で、萩尾望都・大島弓子・竹宮惠子らと並ぶ「花の24年組」の一人として、少女漫画の黎明期を切り拓いた存在です。1969年のデビュー後、1971年のバレエ漫画『
アラベスク』で注目を集め、その後も歴史冒険活劇や超常的テーマを扱った作品を次々と発表してきました。講談社漫画賞(1983年『
日出処の天子』)と手塚治虫文化賞マンガ大賞(2007年『舞姫 テレプシコーラ』)という二つの主要文学賞を受賞しており、少女漫画界を代表する実力派として評価されています。北海道女子短期大学美術科出身の美術的素養は、その後の作品世界の基礎となっています。
山岸凉子の代表作『
日出処の天子』は、聖徳太子(厩戸王子)と蘇我毛人の関係を軸に、少年時代から摂政への道を描いた歴史冒険活劇です。超能力者として描かれた主人公の圧倒的な存在感と、聖と俗、男と女といった矛盾を内包する人物描写が特徴で、1983年度に講談社漫画賞を受賞しました。『舞姫 テレプシコーラ』はバレエ界を舞台にした作品で、技術と芸術の葛藤を精密に描き、2007年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。初期の『
アラベスク』もバレエを題材にした傑作です。他にも『妖精王』『
レベレーション』『
ツタンカーメン』など、歴史やファンタジー、超常現象を扱った作品が多く、綿密な構成、深い心理描写、そして美しく精密な絵柄が共通する特徴として挙げられます。
山岸凉子の入門としては、最も高評価の『
日出処の天子』から始めるのが最適です。講談社漫画賞受賞作でもあり、複数の版(花とゆめコミックス全11巻、完全版コミックス全7巻、文庫版全7巻など)が入手可能で、作家の代表作として多くの読者に支持されています。次に、バレエを題材にした『
アラベスク』や『舞姫 テレプシコーラ』へと進むことで、同じテーマながら異なる時代・視点での作品比較が楽しめます。『妖精王』など歴史冒険活劇の系統も魅力的です。山岸凉子の作品は、精密な描写と心理描写の深さを特徴とするため、じっくり時間をかけて読むことをお勧めします。