三重県伊勢市出身のはやみねかおるは、小学校教師として働く傍ら、本を読まない子どもたちに本の面白さを伝えたいという想いから執筆活動を始めました。1989年に『怪盗道化師(ピエロ)』で講談社児童文学新人賞佳作に入選してデビュー。以来、子どもたちを主な読者層としたジュブナイルミステリの第一線で活躍しています。教師経験を基盤に、学校生活を舞台にした日常の謎解きを得意とし、シリーズ作品が世界観と登場人物を共有するなど、独自の創作世界を構築しています。作品のあとがきには必ず「Good Night, And Have A Nice Dream」という一文を添え、読書の喜びと安らかな眠りへのメッセージを読者に送り続けています。
代表作『
名探偵夢水清志郎事件ノート』は、シリーズ累計360万部を突破した作家の代表シリーズです。1994年から15年にわたって刊行された本シリーズの特徴は、殺人事件が起こらない本格推理という独自のアプローチにあります。学園生活の中で発生する不可解な謎を、夢水清志郎という名探偵が解き明かしていくストーリーで、漢字にルビが振られ、小学上級から読める構成になっています。1999年にNHK教育テレビでドラマ化されるなど、多くの子どもたちに親しまれてきました。『
ぼくと未来屋の夏』など他の作品でも、子どもが主役となって日常の謎に立ち向かうという作風が一貫しており、ミステリながらもハッピーエンドで読者を満足させることを信条としています。作品には随所にパロディが散りばめられ、読み込むほどに楽しめる工夫が凝らされています。
はやみねかおるの入門には、最大の代表作である『
名探偵夢水清志郎事件ノート』シリーズをお勧めします。講談社青い鳥文庫版で13巻すべてが完結しており、手に取りやすい形になっています。さらに、講談社文庫からも大人向けの文庫版が順次刊行されているため、かつて子ども時代に読んだ読者も改めて手に取る価値があります。また、2011年からはセカンドシーズン『名探偵夢水清志郎の事件簿』も開始されており、シリーズの広がりを楽しむことができます。本格ミステリの面白さを子ども向けに構成した作品の数々は、年齢を問わず楽しめる工夫が施されており、読みやすさと謎解きの充実感を両立させています。