木尾士目は、筑波大学芸術専門学群で日本画を学んだ漫画家です。2002年から『月刊アフタヌーン』で活動を開始し、特にサブカルチャーとオタク文化を題材とした作品で知られています。その後も同誌を中心に精力的に執筆を続けており、累計190巻以上の作品を発表しています。美術教育の背景を持つためか、キャラクターの描き分けや感情表現に定評があり、日本画での修養が漫画の表現に活かされているのが特徴です。
代表作『
げんしけん』は、大学のサークル「現代視覚文化研究会」を舞台にしたコメディで、オタク達の日常を丁寧に描きました。アニメ化も複数回行われた同作は、サブカルチャーを題材としながらもキャラクターの人間関係をリアルに表現する作風を確立させています。『
ぢごぷり』では育児経験をもとに、10代シングルマザーの葛藤と育児の現実を描き、楽しさだけでなく苦労や悩みを克明に表現しました。『
Spotted Flower』では、『
げんしけん』と通じる設定を持つオタク夫婦の日常を描いています。木尾の作品は、コミカルな描写の中にも等身大の悩みや人間関係を織り込む点が共通しており、オタク文化への向き合い方が温かく誠実です。
初めて読むなら『
げんしけん』から入るのがおすすめです。サブカルチャー入門としても秀逸で、連載が完結しているため最後まで読み切ることができます。オタク文化に興味がある、あるいはそうした題材の漫画を読んでみたい読者に適しています。『
Spotted Flower』は『
げんしけん』の後に読むとより楽しめる構成になっており、現在も連載中です。育児経験の影響を受けた作品を読みたい場合は『
ぢごぷり』が良いでしょう。主な作品は講談社の『月刊アフタヌーン』に掲載されており、単行本も継続的に流通しています。