雁屋哲は1941年生まれの漫画原作者・エッセイスト。本名は戸塚哲也で、複数の別名で活動してきました。1983年から『ビッグコミックスピリッツ』で『
美味しんぼ』の連載を開始し、当時まだ一般的でなかった「グルメ漫画」というジャンルを開拓。単なる料理の紹介ではなく、食を通じた人間ドラマと社会問題を描く作風で、日本のグルメブームを牽引する立場になりました。原作者として花咲アキラとのタッグを組み、漫画化以前から培った社会的視点と論述を作品に注ぎ込んできた人物です。
代表作『
美味しんぼ』は、新聞社の記者たちが「究極のメニュー」作りを目指す過程で、食材や食文化、社会問題に向き合っていく作品。食品添加物やコメ輸入自由化、捕鯨問題といった、時事的で議論の多いテーマを積極的に盛り込んでいるのが特徴です。第32回小学館漫画賞受賞し、累計1億3500万部を超える売上げを記録しています。その他『
野望の王国』『
男組』といった作品も手がけており、雁屋作品全体を通じて見えるのは、人物ドラマの中に時代的課題を埋め込む、エンタメと主張を両立させようとする姿勢です。
『
美味しんぼ』は圧倒的なレビュー数を誇る最大の代表作であり、入門に最適です。1983年開始の長期連載で111巻まで続いており、各巻が独立したエピソード構成になっているため、どこから読み始めても楽しめます。映像化作品(アニメ・ドラマ)も存在するため、あわせて楽しむことができます。現在も『ビッグコミックスピリッツ』で連載中。『
野望の王国』や『
男組』は完結済みで、グルメ以外の作風を知りたい場合の選択肢になります。