荻野真は1959年岐阜県出身の漫画家で、密教や神道をモチーフにした伝奇アクション作品で知られています。『
孔雀王』で宗教漫画ブームの先駆けを切り、多くのメディア展開を手がけた一方で、SF作品にも取り組むなど多彩な創作活動を展開してきました。興味深いことに、漫画家志望を親に告げた際、教職にあった父親から「エロ漫画と不良物だけは描くな」という条件を付けられており、この制約が後年の創作活動で大きなストレスとなったと本人が語っています。業界の変化と不遇な扱いへの疑問を発言するなど、漫画家の立場から業界問題に言及する数少ない表現者でもありました。2019年に逝去。
『
孔雀王』は累計2000万部を超える代表作で、裏高野という秘密の修行組織に属する退魔師・孔雀を主人公とした密教世界の冒険譚です。神秘的な世界観とアクション、複雑に絡み合う人間関係が特徴。シリーズは『
孔雀王 曲神紀』『
孔雀王 ライジング』と続きました。その他『ALGO!』『
小類人』ではSFの領域に挑戦しています。荻野の作風の課題として指摘されたのは、作品が進むにつれ物語の広がりが制御しきれず、後半で設定が散乱する傾向です。『曲神紀』では顕著で、当初の構想から大きく逸脱した展開が批評を招きました。後年の作品では創作が落ち着き、話の破綻は減少したとされています。
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孔雀王』の本編17巻から入るのが最適です。密教という日本漫画で扱われることが少ないテーマを軸にした独特の世界観が味わえます。シリーズの流れとして、本編→『曲神紀』→『
ライジング』の順序で読むと、作品の進化と課題を追体験できます。『
孔雀王』は実写映画やOVA、ゲーム化など多くのメディア展開があり、それらの存在も知られていますが、原作の漫画版は各種書店で入手可能です。『
ライジング』は現在も連載中なので、最新の荻野真の創作姿勢を知ることもできます。SF作品に興味があれば『ALGO!』『
小類人』で別の作風を確認できます。