おおばやし みゆきは1968年生まれ、大阪府出身の漫画家です。会社員として働きながら投稿活動を続けていましたが、23歳のとき「本気で漫画に向き合いたい」という強い思いから退職。3年以内のデビューを目指すという決意のもと、24歳で初投稿した「ミラクルミステリートイレットにようこそ」が『ちゃおDX』に掲載され、デビューを実現させました。その後『
ちゃお』のレギュラー作家として活躍し、2005年には新創刊の『ChuChu』へ移籍。さらに『
Cheese!』でも作品を発表するなど、少女漫画界の第一線で活動してきました。現在は岡山県津山市に在住しており、ばね指の影響で創作活動は休止中ですが、引退ではなく療養中とのことです。
最も読者に支持されている『
さくら前線』は、少女漫画らしい淡い恋愛感情と青春の光景を描いた作品です。『
エンジェル・ハント』はファンタジー要素を交えた異なる世界観の物語で、おおばやしが得意とするジャンルの幅を示しています。『
きらきら☆迷宮』『
モンスターキャンディー』といった作品群からは、日常と非日常が交錯する舞台設定への強い執着が感じられます。同時に『
放課後チルドレン』など学園を舞台にした作品も手がけており、少女漫画誌の主要読者層である中高生の心情を丁寧に描くことが特徴です。絵柄については、『ChuChu』から『
Cheese!』への移籍時に大幅な変更を行っており、誌面に合わせた画風の調整を厭わない職人気質が伺えます。全体を通じて、恋愛とファンタジーの融合、そして少女たちの日常的な葛藤を温かく紡ぐ作風です。
おおばやし みゆきの作品を初めて読む場合、レビュー数の多い『
さくら前線』か『
エンジェル・ハント』から入るのが入門に向いています。『
さくら前線』は少女漫画の王道的な魅力が詰まっており、『
エンジェル・ハント』はファンタジー色を求める読者に適しています。いずれも完結・連載中を問わず現在も読める状態です。1990年代から2000年代の少女漫画を愛する読者、特に『
ちゃお』『
Cheese!』といった誌面で作品を追いかけていた世代には懐かしさと再発見の喜びをもたらすはずです。ただし、2010年以降は創作活動が限定的であるため、作品によっては入手難の場合があります。事前に刊行状況を確認してからの購入をお勧めします。