九十九森は、漫画原案者として活動する作家です。イラストレーター・さとう輝とのコンビで、1999年より『週刊漫画ゴラク』で『
江戸前の旬』の連載を開始しました。当初は『銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記』というタイトルで先行連載されていましたが、単行本1巻分を経て『
江戸前の旬』へと改題し、本格的な長期連載へと移行しています。20年以上にわたって同作を手がけ、2019年には連載1000回という大きな節目を迎えるなど、グルメ漫画、特に寿司を題材とした作品の第一人者として知られています。
『
江戸前の旬』は九十九森の代表作であり、ライフワーク的な長編作品です。銀座の寿司屋「柳寿司」を舞台に、職人の技や魚介類に関する知識、日本文化が豊かに描かれます。作品の大きな特徴は、単なるグルメ漫画にとどまらず、寿司文化の奥深さや四季折々の食材の価値、職人気質といった要素が丁寧に紹介される点です。このアプローチにより、読者は娯楽と学びを同時に得られます。そのほか『
寿司魂』『
ウオバカ!!!』など、食や魚に関連するテーマの作品も手がけており、九十九森の創作の中心に「食文化の探求」があることが見て取れます。
九十九森の作品に初めて触れるなら、圧倒的なレビュー数を誇る『
江戸前の旬』から始めるのが最適です。連載中の長編であり、既刊は133巻に達していますが、各エピソードは比較的独立しているため、途中からの読み始めも可能です。寿司や日本文化への興味がある読者なら、その知識の深さに引き込まれることでしょう。『
寿司魂』『
ウオバカ!!!』はスピンオフ的な位置づけで、より尖った切り口から食文化を扱っています。九十九森は原案者であるため、イラストレーター・さとう輝の描線の味わいも作品の大きな魅力となっており、コンビの長期的な信頼関係が作品の品質を支えています。