やまさき拓味は、1949年生まれの和歌山県新宮市出身の漫画家です。1968年にさいとう・プロダクションに入社して劇画の道を志し、その後オリオンプロの設立に参画するなど、創成期のプロダクション文化を支えてきました。1972年に小池一夫を原作者として『鬼輪番』でデビュー。『
英雄失格』や『青春動物園ズウ』など、梶原一騎や小池一夫といった大御所原作者とのコンビで少年漫画の第一線を歩んできました。1989年にスタジオシップを退社し、自身のバディプロダクションを設立。1995年、少年誌では挑戦的だった本格的競馬漫画『
優駿の門』を『
週刊少年チャンピオン』でスタートさせ、その後シリーズ化されていきます。同時期に実在の競走馬を丁寧に取材して描く『
優駿たちの蹄跡』も並行連載するなど、競馬というニッチながら奥深い題材に創作の軸足を移してきた作家です。
やまさき拓味の代表作は『
優駿の門』シリーズです。少年チャンピオンで1995年から2000年まで連載された『
優駿の門』は全33巻で完結し、地方競馬から中央競馬へと進む騎手・光優馬の成長と奮闘を軸に、競馬の魅力と人間ドラマを融合させた傑作として知られています。その後も『優駿の門GI』『優駿の門ピエタ』『優駿の門チャンプ』『優駿の門グランプリ』とシリーズが続きました。並行して『
優駿たちの蹄跡』では、実在した競走馬たちを一頭一頭丁寧に取材し、人間と馬の関係、馬たちの人生を描く作風を確立しています。共通する特徴は、競馬という専門領域への深い理解と取材に基づいた作品作り。単なるギャンブルではなく、馬と騎手と調教師が織りなす人間関係、勝利と挫折の積み重ねを真摯に描く姿勢が貫かれています。
競馬漫画の入門として、まずは『
優駿の門』から始めることをお勧めします。全33巻で完結しており、一人の騎手の成長物語として構成されているため、読み進めやすい入口となります。競馬の知識がなくても、人間ドラマとして十分楽しめるように作られています。より詳しく実在の競走馬や競馬の歴史に触れたい場合は、『
優駿たちの蹄跡』が最適です。こちらは複数の雑誌で長期連載されており、集英社から秋田書店など複数の出版社で刊行されています。2019年からは『マンガクロス』で『
優駿の門2020馬術』が連載開始するなど、現在も作者の競馬への創作活動は続いています。作品によって出版社や掲載誌が異なるため、各作品の最新刊行状況を確認して読み進めることをお勧めします。